福岡という街がこれほどまでに多くの人を惹きつけるのは、その都市機能の高さもさることながら、やはりそこに暮らす人々の県民性にも大きな理由があるように感じます。私自身、福岡の街を歩けば、どこからともなく聞こえてくるリズミカルで柔らかな福岡弁の響きに心が和みます。語尾の「〜と?」や「〜ちゃん」といった独特の言い回しは、聞いているだけで相手との距離がぐっと縮まるような不思議な親しみやすさを感じます。
この言葉の温かさを裏打ちしているのが、福岡県民の大きな特徴ともいえる情に厚い気質ではないでしょうか。困っている人を見かけたら放っておけない性分の方が多く、道に迷っているときに地元の方が身内のように親身になってくれたというエピソードはよく聞かれます。外から来た人をよそ者として遠ざけるのではなく、懐深く受け入れてくれる包容力こそが、福岡の居心地の良さを支えているのでしょう。
一方で、福岡の人々はお祭り好きで目立ちたがりな一面もあるように思います。博多祇園山笠をはじめとする伝統行事への熱量は凄まじく、祭りの時期になれば、仕事や生活のすべてを投げ打ってでも全力で参加する情熱を持っています。新しいものや派手なことが大好きで、サービス精神も旺盛です。そんな「この場を盛り上げよう」というポジティブな自己主張が、天神や博多の街に溢れるダイナミックな活気の源泉になっていると感じます。
都会的な洗練さを持ちながらも、中身は驚くほど情に厚くて情熱的…そんなギャップに満ちた県民性を現地で目の当たりして、私はさらに福岡県の魅力に取り憑かれてしまいました。